戸塚崎陽軒

戸塚崎陽軒は、広東料理をベースにグローバルな料理哲学から生まれる”ロマンチック・カントニーズ” をおもてなしする中国料理「嘉宮」とイタリア・ナポリの豊かな自然の恵みを生かした南イタリア料理とワインでおもてなしするリストランテ「イルサッジオ」の料理を、コロニアル風邸宅のゆったりとした空間で、お楽しみいただくレストランです。 私も何度か食事させていただいたことがあり老舗の戸塚崎陽軒様ということで、お話を頂いたときは、多少プレッシャーを感じずにはいられませんでした。照明設計は建物の素姓を活かすこと、機能を果たすことが重要です。レストランの場合は「ブランディング」や「もてなし」ということになります。まず建物の素姓を研究しました。建築様式はコロニアル様式。17世紀から18世紀のイギリス・スペイン・オランダの植民地で多く見られるものです。建物の正面にはポーチとベランダがあり、大きな窓が左右対称に設置され構造的にも視覚的にも中心となる重要なものです。レストランのエントランスも中央にあり、自然と引き込まれるような導線とこれからの愉しい時間を想像させる照明演出が必要です。照明設計のテーマは、これからの愉しい時間と、美味しい料理への期待感、戸塚崎陽軒というブランドの信頼性を照明に活かすことでした。

留意点:
(1)大きな特徴の左右対称の安定感を照明が壊さないこと
(2)地上からの照明で風格をさらに高めること
(3)中央にコントラストを付け、無意識にエントランスへと脚が運ぶ導線計画。

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